- 「プロ棋士の収入源はどこ?」
- 「棋士の年収はどれくらい?」
- 「強い棋士だと1億円以上なの?」
などなど将棋界とお金については未知の領域。
この記事では気になる将棋のプロ棋士の収入について解説しています。
プロ棋士の基本給
まずプロ棋士はサラリーマンと同じように基本給が日本将棋連盟から毎月支払われます。
基本給は順位戦と呼ばれるクラスによって比例しています。
以下、順位戦のクラス別の大体の基本給の目安です。
- 名人クラス :約100~200万円
- A級 :約65万円
- B級1組 :約50万円
- B級2組 :約30万円
- C級1組 :約20万円
- C級2組 :約15万円
- フリークラス :約10万円
しかも夏と冬にそれぞれボーナスもあり基本給の2ヶ月分が支払われています。
以前は夏のボーナスのことを「氷代」、冬のそれを「餅代」と呼んでいたそうです。
対局料だけだと思っていたら意外と安定している職業なのかもしれませんね。
対局料
各棋戦のスポンサー企業から対局料というのがプロ棋士には支払われます。いわゆるファイトマネーというやつです。
例えば、竜王戦の決勝トーナメント一回戦では46万円の対局料が出ています。
たった一局にです。まあ竜王戦の決勝トーナメントまで勝ち進むのはかなり難しいですが。
そして竜王戦の決勝トーナメントの二回戦になると対局料は52万円にあがります。
ちなみにこれは対局料なので負けてももらえます。
強い人だと一日で50万円ぐらい稼いでいるんですね。
トーナメントの場合勝ち進むごとに対局料は上がっていき、さらに優勝すると対局料とは別に賞金ももらえます。
タイトル戦の賞金
タイトル戦別での優勝賞金は以下のような感じになります。(2023年時)
- 竜王:4400万円
- 名人:2000万円
- 王位:1000万円
- 王座:800万円
- 棋王:600万円
- 叡王:300〜600万円
- 王将:300万円
- 棋聖:300万円
そしてこちらが一般棋戦の優勝賞金(2023年時)
- 朝日杯 750万円
- NHK杯 500万円
- JT杯 500万円
- 新人王戦 200万円
ちなみにタイトル戦の敗者、つまり準優勝者にも賞金は出ますが、上記の賞金額の3~4割ぐらいです。
プロ棋士の対局料ランキング
一番稼いでいる棋士は誰なのか?気になったので調べてみました。
以下は2020年度の対局料ランキングです。(賞金も含まれます)
- 豊島将之竜王 1億100万円
- 渡辺明名人 7250万円
- 永瀬拓矢王座 4500万円
- 藤井聡太二冠 3750万円
- 広瀬章人八段 3650万円
- 羽生善治九段 2500万円
- 久保利明九段 2100万円
- 丸山忠久九段 2000万円
- 木村一基九段 2000万円
- 千田翔太七段 1650万円
将棋界には1億円プレーヤーがいるんです。
ちなみに最初に1億円プレーヤーになったのは羽生先生で、たぶん20回以上は対局料ランキングで1位になっているはずなので…総額20億円以上獲得していることは間違いないでしょう。
対局料だけでこの額ですので、著書の印税とかテレビ番組等の出演料も含めるとどのくらいになるのか想像もつきません。
指導対局料
プロ棋士の仕事の一つに”将棋の普及”があります。
将棋の普及のため全国各地へ指導対局に赴くことがあります。
その時の指導対局料もプロ棋士の収入源の一つになっています。
将棋連盟で規定されている相場で、指導対局一回につき四段で約4万円。七段で約10万円になると公式ホームページのほうで記載されています。
A級棋士やタイトルホルダーだとさらに高い料金になります。
しかし、実際には規定よりも低い金額だそうで、将棋教室のようなところ指導対局をすると指導料金は3万円前後なのだそうです。
講演料金
有名人の講演料金はメディアの露出が低い方の場合だと30万円以下。
専門性を持っている場合や、大きな大会に出場した経験のあるアスリートだと30~60万円になると言われています。
講演に呼ばれる棋士はかなり限られてくると思いますが、羽生先生クラスの有名人になると100万円ぐらいになると思います。
その他にも交通費や宿泊費もプラスされるそうです。
本の印税
プロ棋士は将棋の戦法解説の本や詰め将棋の本を書いたりします。
その時に発生するのが印税です。
印税は基本的に6~10%だと言われているので、1000円の本が1万部売れた場合はその著者に100万円の収入になります。
ちなみに羽生先生が書かれた主な本の発行部数は以下の通りです。
- 決断力:52万部
- 大局観:18万部
- 直観力:10万部
年収1000万以上の棋士はどれくらい?
収入源が多く、その額も高いので「プロ棋士って意外と稼げる職業かも!」と思うかもしれませんが、実は年収が1000万円を超える棋士は全体の1割ちょいなのだそうで、数で言うと、20人程度。
強さが物を言う世界なので、強ければ年収1億円。弱ければ200~300万円と格差が大きいんです。
そのため、定収入の棋士は将棋教室を開いたり、大版解説会のため地方に出向いたりと色んな方法で収入を補っています。
YouTubeをやるプロ棋士が増えてきた背景にはこういった理由があるのかもしれないですね。