将棋界には合計8つのタイトルが存在します。
『竜王、名人、王位、王座、棋王、叡王、王将、棋聖』
上記の8つが将棋界のタイトルなんですが、それぞれに序列のようなものがあります。
簡単にいうと、どちらが上でどちらが下なのか?という上座下座にまつわる格付けです。
その格付けを決めるのが“賞金額”です。
8大タイトルの賞金額
8大タイトルのそれぞれの獲得賞金額は以下の通りです。(2023年5月時推定)
- 竜王:4400万円
- 名人:2000万円
- 王位:1000万円
- 王座:800万円
- 棋王:600万円
- 叡王:300〜600万円
- 王将:300万円
- 棋聖:300万円
上記を見ると一番賞金額が高いタイトルは“竜王”です。
では、将棋界で一番のタイトルは“名人”ではなく“竜王”なのか?というと非常に難しいところで、それを聞かれたプロ棋士の先生方も口を濁さざるを得ない状況にあります。
複数のタイトルを獲得した時の呼称
例えば“王座“と“王将”の2つを同時に保持していた場合は“〇〇二冠“のように呼ばれます。
3つなら“〇〇三冠”といった感じです。
しかし“名人”と“竜王”の場合は違ってきます。
例えば“名人”と“棋王”を保持していた場合は“〇〇名人“と呼ばれることが多いです。
場合によっては“〇〇二冠”と呼ばれることもあります。
“竜王”も同じように、優先的に“〇〇竜王”と呼ばれることになっています。
竜王と名人の両方を保持していたら?
竜王と名人を二つ同時に保持していたらどうなのかというと…
“〇〇竜王、名人”と呼ばれるこが多いのが現状です。
当時の将棋界のタイトル7つ全てを保持していたことがある羽生先生も、当時は“羽生七冠”ではなく“羽生竜王名人”と呼ばれていました。
ここで気づいてほしいのが“名人“ではなく“竜王”の方を先に呼称していることです。
これは賞金額に配慮し“竜王”を先呼びするようになっているのだと思われます。
“竜王”が‘賞金額が一番高く“名人”よりも先呼びされ、さらには日本将棋連盟が運営する公式ホームページでも“名人位保持者”よりも“竜王位保持者”が一番最初に表示されています。
しかし、その一方で“名人”というタイトルは将棋界で一番最初にできた歴史のあるタイトルであり、将棋を指している身ならば「竜王になりたい」ではなく、皆が口を揃えて「名人になりたい」と答えるのも事実です。
歴史はお金では買えないのです。
つまり“竜王”と“名人”のどちらが上か?という疑問は現状、非常に難しいのです。
現状の結論としては、、、
最強のタイトルが“竜王”で、最高のタイトルが“名人”
ということで、締めとさせていただきます。
【追記】
現在の将棋界では、竜王位保持者と名人位保持者が対局した場合、竜王位を保持しているほうが上座に座る傾向にあります。

