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【8大タイトルの序列と賞金額】”竜王”と”名人”はどちらが上でどちらが上座!?

将棋界には合計8つのタイトルが存在します。

『竜王、名人、王位、王座、棋王、叡王、王将、棋聖』

上記の8つが将棋界のタイトルなんですが、それぞれに序列のようなものがあります。
簡単にいうと、どちらが上でどちらが下なのか?という上座下座にまつわる格付けです。

その格付けを決めるのがタイトルの“賞金額”です。

8大タイトルの賞金額

8大タイトルのそれぞれの獲得賞金額は以下の通りです。(2023年7月時推定)

タイトル賞金額(推定)スポンサータイトル創設年
竜王4400万円読売新聞1988年
名人2000~3000万円朝日新聞、毎日新聞1935年
王位1000~1200万円北海道新聞、東京新聞、中日新聞、神戸新聞、徳島新聞社、西日本新聞、伊藤園1960年
王座1000万円日本経済新聞1983年
叡王600~1000万円不二家2017年
棋王600~800万円共同通信社1975年
王将300~600万円毎日新聞、スポーツニッポン新聞1951年
棋聖300~400万円産業経済新聞1962年

上記の賞金額準にタイトルの序列は決まっています。

なので、上記を見ると一番賞金額が高いタイトルは“竜王位”です。
では、将棋界で一番のタイトルは“名人”ではなく“竜王”なのか?というと非常に難しいところで、それを聞かれたプロ棋士の先生方も口を濁さざるを得ない状況にあります。

 

複数のタイトルを獲得した時の呼称

例えば“王座“と“王将”の2つを同時に保持していた場合は“〇〇二冠“のように呼ばれます。
3つなら“〇〇三冠”といった感じです。

しかし“名人”“竜王”の場合は違ってきます。

例えば“名人”と“棋王”を保持していた場合は“〇〇名人“と呼ばれることが多いです。
場合によっては“〇〇二冠”と呼ばれることもあります。

“竜王”も同じように、複数のタイトルを保持していても優先的に“〇〇竜王”と呼ばれることになっています。

例外として、それぞれのタイトル戦の場合は、そのタイトル戦の称号が最優先で呼称されます。

例えば、藤井七冠(竜王・名人・王位・棋王・叡王・王将・棋聖)が王位戦のタイトルの防衛戦を戦う場合は藤井竜王・名人ではなく、藤井王位と呼称されます。

 

竜王と名人の両方を保持していたら?

竜王と名人を二つ同時に保持していたらどうなのかというと…
〇〇竜王、名人”と呼ばれるこが多いのが現状です。

当時、将棋界のタイトル7つ全てを保持していたことがある羽生先生も、当時は“羽生七冠”ではなく“羽生竜王名人”と呼ばれていました。

ここで気づいてほしいのが“名人“ではなく“竜王”の方を先に呼称していることです。
これは賞金額に配慮し“竜王”を先呼びするようになっています。

“竜王”が‘賞金額が一番高く“名人”よりも先呼びされ、さらには日本将棋連盟が運営する公式ホームページでも“名人位保持者”よりも“竜王位保持者”が一番最初に表示されています。

しかし、その一方で“名人”というタイトルは将棋界で一番最初にできた歴史のあるタイトルであり、将棋を指している身ならば「竜王になりたい」ではなく、皆が口を揃えて「名人になりたい」と答えるのも事実です。
歴史はお金では買えないのです。

つまり“竜王”と“名人”のどちらが上か?という疑問は現状、非常に難しいのです。

現状の結論としては、、、

最強のタイトルが“竜王”で、最高のタイトルが“名人”

ということで、締めとさせていただきます。

【追記】

現在の将棋界では、竜王位保持者と名人位保持者が対局した場合、竜王位を保持しているほうが上座に座ります。

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