加藤一二三

加藤一二三九段が「待った!」プロの将棋で反則処分になった対局

プロ棋士の将棋で「待った」をしてしまったのは”ひふみん”こと加藤一二三九段。
2005年にテレビ放映された銀河戦での一局でした。
日本将棋連盟が後日、反則を認め加藤九段は処分されています。

「待った」をした加藤一二三九段を処分

2005年5月26日に放映された囲碁将棋チャンネルの”銀河戦”加藤一二三九段vs阿部隆八段戦でした。
この対局に勝利したのは加藤九段でしたが、放映終了後に視聴者からの苦情や問い合わせが殺到。

その内容は加藤九段に「待った」があったのではないか?というものでした。

この点において、日本将棋連盟は6月10日に、加藤一二三九段が公式戦で指し手を変える「待った」の反則をしたとして、来期の同棋戦(銀河戦)への出場停止と対局料相当額の罰金を科すと発表しました。
なお、第13期銀河戦の該当の対局につきましては、加藤勝ちに変わりはなく、次の対局も予定通り放映されました。

わかりやすく箇条書きにすると…。

  • 加藤九段に「待った」の反則がありました。
  • 加藤九段には相応の処分が下されます。
  • しかし銀河戦の次戦においては加藤九段の勝ちのまま続行します。

ということです。

対局規定には…。

「第8条 反則:対局中に反則を犯した対局者は即負けとなる。」

とありますが、そのあとに…。

「終局後は反則行為の有無にかかわらず、投了時の勝敗が優先する(投了の優先)。」

そのため、加藤一二三九段が勝ったことに変わりはなく、ただ反則行為をしたとして相応の処分が下されたいうわけです。

このように日本将棋連盟が「待った」があったと認め、出場停止処分をするのはこれが初めてのことでした。

余談ですが、当時の将棋連盟の会長が米長先生だったので、加藤先生を躊躇いなく処分できたのかもですね。

加藤一二三九段vs阿部隆八段

その時の銀河戦の対局は以下の通りです。

  • 先手:阿部隆
  • 後手:加藤一二三
  • 解説者:佐藤康光
  • 持ち時間:15分+30秒+10回
  • 戦型:相掛かり

戦型は”相掛かり”になり、終盤戦に突入します。
加藤九段お得意の「あと何分?」がテレビ放映されています。

加藤一二三「あと何分ですか?」
阿部隆「答えなくていいですよ。そんなの。見たら分かんだから」
佐藤康光「フフフフフフフヒヒヒヒヒ・・・。」(笑い声)

こんな感じでした。

阿部隆先生が横柄にも思えますが、当時の将棋はこんな感じなので、悪しからず。

さて、問題となったのは100手目です。

”3七桂成り”とバシっと駒音高く指した加藤九段ですが、その前に”3七桂不成”として手を離してしまっています。
手を離すといっても”3七桂不成”とバシっと指したあと、ちょんちょんとその桂馬を触り、またその桂馬を取り直し”3七桂成り”としていました。

その時の会話が以下。

阿部「ちゃんと(秒を)読んで下さいよ」
加藤九段「まだ読んでないんでしょ」
阿部「いやだからビデオテープ取ってあんだから後で見てくださいよ」
加藤九段「いやだから離れてないですよ」

はい、話が噛み合っていません(笑)

話が噛み合っていないのは、阿部先生は”秒読み”に文句言っており、加藤一二三九段は、駒から手が離れたかどうかを言っているので、話が噛み合っていないのです。

阿部先生のは「30秒を超えてからの着手だから、考慮時間を1回消費したはずだ」という抗議で、
加藤九段のは「駒は離してないから待ったではないですよ」という抗議です。

将棋連盟がビデオを確認すると駒から手は離れていたんですけどね。

仮にこの時、阿部先生が”時間”ではなく”待った”のほうを指摘していれば、その場で加藤九段の反則負けだった可能性があります。

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