将棋ソフトのエピソード

【第三回電王戦まとめ】安倍総理が振り駒をするも1勝4負でプロ棋士完敗


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第三回電王戦

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大好評だった第二回電王戦に引き続き、第三回となった電王戦では振り駒に安倍晋三総理大臣(当時)が登場。代指しに”電王手くん”が、そしてこのシリーズでは”やねうら王バグ修正事件”が話題になりました。

唯一勝利できたのは豊島七段のみという、プロ棋士側の1勝4負で終わった第三回の電王戦のまとめ記事です。

電王戦の新ルール

  • 持ち時間:5時間 切れたら60秒
  • 将棋ソフトの貸し出し有り
  • 将棋ソフトのバージョンアップは禁止
  • ハードウェアの統一(GALLERIA 電王戦モデル)31万9980円

ドワンゴ社主催の将棋電王トーナメントの上位5位までの将棋ソフトが出場。

【将棋電王トーナメントの結果】

  • 1位:ponanza
  • 2位:ツツカナ
  • 3位:YSS
  • 4位:やねうら王
  • 5位:習甦

【プロ棋士側の出場棋士】

  • 菅井竜也
  • 佐藤紳哉
  • 豊島将之
  • 森下卓
  • 屋敷伸之

【第1局】菅井竜也 vs 習甦

  • 先手:菅井竜也五段(当時)
  • 後手:習甦(竹内章)
  • 戦型:先手中飛車
  • 対局場:有明コロシアム

98手で習甦の勝利。

事前に宣言していた通り、菅井五段は振り飛車に。

しかし序盤、中盤、終盤と終始差を広げられて惨敗しました。

投了図

投了図

「200局ぐらい研究したが、今回のような局面はやったことがなくて。ちょっと動揺しました。」
菅井竜也

「菅井五段はコンピューターの必勝法を見つけて勝っても、明日からの自分につながらないし意味が無い。また振り飛車をしてファンの期待に応えたところもあり、あえて厳しい戦い方を選んだ菅井五段を讃えたいと思います。」
竹内章

第二回の時と同様に大晦日にリベンジマッチが行われましたが、こちらでも菅井竜也の敗北となりました。

 

【第2局】佐藤紳哉 vs やねうら王

  • 先手:やねうら王(磯崎元洋)
  • 後手:佐藤紳哉六段(当時)
  • 戦型:先手四間飛車
  • 対局場:両国国技館

95手でやねうら王の勝利。

対局前に貸し出していた”やねうら王”のバグ修正として、開発者の磯崎元洋氏がやねうら王をバージョンアップした不正が発覚しました。
当初のルールでは将棋電王トーナメントの時と同じもので戦うというルールだったので、開発者およびドワンゴから謝罪があり、本番の対局では予定通り、修正前の”やねうら王”が使用されました。

この対局で先手となった”やねうら王”は初手に”1六歩”と突いて関係者を驚かせました。

1六歩

初手1六歩とした局面

その後も1筋の歩を突いていき、四間飛車(やねうら王)vs居飛車穴熊(佐藤六段)という展開に。

長考派棋士として知られる佐藤紳哉六段は不利な局面から一度、互角の状態まで巻き返しましたが、1分将棋になったあとミスが出て、惨敗しました。

「相手が強いから負けたという将棋をしなければならなかったのですが、私が弱いから負けたという将棋になってしまい、残念です」
佐藤紳哉

「いろいろと騒動を起こしてしまって申し訳なかったです」
磯崎元洋

挑発的なキャラだった磯崎元洋氏はバグ修正事件があったからか、終始、謙虚にインタビューに答えていました。

 

【第3局】豊島将之 vs YSS

  • 先手:豊島将之七段(当時)
  • 後手:YSS(山下宏)
  • 戦型:横歩取り
  • 対局場:あべのハルカス

83手で豊島の勝利。

横歩取りになった将棋は豊島七段が徐々にリードを広げていく展開になりました。
そして、52手目で”1四金”と打ったYSS。

1四金

1四金と打った局面

こういう手は、不利な局面でやってしまうコンピュータの悪い癖で、この手を見た谷川会長(当時)もインタビュー中にも関わらず、固まっていました。

そして、予定よりもかなり早い16時41分でYSSが投了しました。

完勝した豊島将之七段は一日に10時間ぐらいYSSと練習対局を行い、1000局近く対局したとのことでした。

 

【第4局】森下卓 vs ツツカナ

  • 先手:ツツカナ(一丸貴則)
  • 後手:森下卓九段
  • 戦型:矢倉
  • 対局場:小田原城

135手でツツカナの勝利。

相矢倉になったこの将棋はツツカナが終始リードしてコンピュータ側の完勝となりました。

ネットでは”妖精”と呼ばれている開発者の一丸氏は開始から終了までずっと正座をしていて、ますます好感度が上がっていました。

この時点で人間側の敗北が決定。

投了図

投了図

後日、森下卓九段はツツカナとリベンジマッチを行っています。
その時のルールは

  • 秒読み1手10分
  • 検討用の継ぎ盤の使用可

というものでした。

結果は終局が見えないという結論になり、指分けという結果になりました。
一応、判定では森下勝ちとなっています。

 

【第5局】屋敷伸之 vs ponanza

  • 先手:屋敷伸之九段
  • 後手:ponanza(山本一成、下山晃)
  • 戦型:横歩取り
  • 対局場:東京将棋会館

130手でponanzaの勝利。

大会最長時間の21時45分での終局になりました。

103手目で”81成香”とした手が悪手だったようで、この手以降はponanzaペースに。
長時間の対局だと人間側だけに疲労が蓄積するのかもしれません。

8一成香

8一成香と指した局面

実は最後少しあませるのかなと思っていました。Ponanzaの評価値も互角ぐらいでしたので、大局観といいますか、将棋の難しさを感じたところですね。
屋敷伸之

対局は途中でPonanza有利に進んでいたと思いますが、ジリジリ押し返され、一時形勢互角まで行きました。その後(屋敷九段に)見落としがあったのか、Ponanzaが勝利出来ました。
山本一成

 

第三回電王戦の対戦結果

プロ棋士側の1勝4負

第一局 菅井竜也● 習甦〇
第二局 佐藤紳哉● やねうら王〇
第三局 豊島将之〇 YSS●
第四局 森下卓● ツツカナ〇
第五局 屋敷伸之● ponanza〇

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