竜王戦決勝トーナメントの増田康宏vs藤井聡太戦でのこと。
94手目に藤井聡太七段(当時)が”桂馬”を打ったが、引っ込めて”飛車”を打ちました。
この手について「待った」ではないかと将棋連盟に問い合わせが殺到。
将棋連盟側は「待った」ではないと判断し、マナーの問題として、師匠による注意に留めました。
藤井聡太が「待った!?」
2018年6月29日の竜王戦決勝トーナメント
- 先手:増田康宏 六段(当時)
- 後手:藤井聡太 七段(当時)
- 戦型:矢倉
- 持ち時間:5時間
問題になったのは94手目でした。
藤井聡太先生が”8九飛車”と飛車を打った局面ですが、この飛車を打つ前に、持ち駒の”桂馬”を一旦、盤面に置いたあとに駒台に戻しました。
そして飛車を打ったんですね。
この手について「待った」ではないかと将棋連盟に問い合わせが殺到したようで、将棋連盟側が確認し、駒から手が離れていないので反則ではないと判断しました。
日本将棋連盟のコメント
「(今回の行為は)反則ではなく、マナーの問題ですので、師匠(杉本昌隆七段)から本人へ注意をしていただけると聞いております」
この手に対して対戦相手の増田先生から指摘等はなく、そのまま進み、125手で増田勝ちになっています。
正直…。個人的な見解ですが、指は離れていると思います。
”ちょんちょん”としていますからね。
これが「待った」ではないのなら「待った」の将棋で有名な加藤一二三vs阿部隆戦で加藤先生が処分された「待った」も「待った」ではないことになると思います。
まあ、結果は増田先生の勝ちになっているので、一件落着となっていますが、これで藤井勝ちならば、物議をかもした可能性はあります。
ちなみ、このまま進み、藤井聡太先生の勝ちになっていた場合は「投了優先の原則」が対局規定にあるので”指摘のなかった反則”よりも”投了”が優先となり藤井勝ちとなります。
その後「反則であった」と将棋連盟側が判断した場合、加藤vs阿部戦のように藤井先生が処分されていた可能性はあります。
将棋連盟側が「反則ではない」と判断した場合は、もちろん処分等はなくマナーの問題として注意はされるでしょうが、藤井勝ちの場合は物議をかもすことになったと思います。
「待った」という反則行為が指が離れた離れないでの判断ですと、今後サッカーのようにVAR判定とかになりかねないので、将棋盤の真横からカメラで撮ることになりそうで…うーん。なんとも言えないですね…。