丸山忠久

丸山新手『冷えピタ』将棋の対局中に放った奇手?盤外戦術!?効果はあるの?

新手冷えピタ

丸山忠久九段がA級順位戦で後頭部に貼った『冷えピタ』新手を解説している記事です。なぜ貼ったのか?効果はあるのか?棋士と熱の問題は昔からあった?
その冷えピタ新手の効果を検証したプロ棋士曰く「額に貼ると効果有り、でも髪があると後頭部に貼っても意味がない」と。
そして、タイトル戦で羽生さん相手に冷えピタを貼った永瀬拓矢先生の後日談を書いています。

丸山新手「冷えピタ」

2011年のA級順位戦最終局ですごい新手が生まれました。

当時の丸山忠久九段と渡辺明竜王の対局で丸山九段が放った新手が”冷えピタ”です。

しかも後頭部に貼っていました。
丸山九段は事前にこの手を研究していたそうで、後頭部に貼るのが最善手だと考えていたようです。

この対局で丸山九段は、勝てばA級残留、負ければ降級という大事な一戦でした。
そして、A級順位戦の最終局と言えば、一斉対局で中継放送もされる”将棋界の一番長い日”としても有名です。

映像としても残る大事な一局に”冷えピタ”を貼ったのはもちろんウケ狙いではありません。

超真剣です。

真剣に冷えピタを貼ったのです。

冷えピタを貼ったまま真剣に将棋を指す丸山九段。
すごくシュールでした。

当時の解説の佐藤康光九段も「初めて見ました」と言っていたので、おそらくこれが冷えピタ新手第一号局です。

ちなみに、この対局は冷えピタが功を奏したのか丸山九段が勝ってA級残留を決めました。

凄いですね冷えピタ。

 

なぜ冷えピタを貼ったのか?

ひんやりして気持ちいいから冷えピタを貼ったのではありません。

プロ棋士の対局は朝から晩まで、長い時は日付が変わってから終局というのも珍しくありません。
対局中に大量のカロリーを消費することから、対局後は体重が2~3kg減っているという嘘のような本当の話があります。

では、その2~3kg分のカロリーはどこで消費されるかと言うと””です。
一日中、将棋を考えているわけですから、脳が常にフル回転しているんです。

そうなると、やはり頭は熱を持ちます。
その熱を冷ますために貼ったのが冷えピタだったんですね。

パソコンがフル稼働すると、熱を持ちパフォーマンスが下がりますよね。
同じように、人間も熱を持つと頭がボーっとしてパフォーマンスが下がります。
そのために冷却する必要があると丸山九段は考えたんでしょう。

 

冷えピタに効果はあるのか?

冷えピタに冷却効果はあるのかを検証した棋士がいます。
それが三浦弘行九段です。

三浦九段は屋敷九段との研究会で冷えピタ新手を試してみたそうです。
三浦九段の結論は「額に貼ると効果有り、でも髪があると後頭部に貼っても意味がない」とのこと。

よく研究されていますね。

ちなみに昔は、額に膏薬(こうやく)を塗って、熱を下げていた棋士もいたそうです。
もちろん膏薬を塗る棋士は少数派だったとは思いますが、昔から”棋士”と””の問題はあったんですね。

 

冷えピタを張るプロ棋士

丸山九段は後日、羽生戦で冷えピタ3枚貼りの強手を披露したものの敗北。
ちなみに額に1枚、後頭部に2枚貼られていました。

冷えピタで他に有名な棋士は永瀬拓矢先生ですね。

永瀬先生はタイトル戦で冷えピタを額に貼っていました。
和服姿に冷えピタを貼って、将棋を指す光景はそれはそれはシュールで、しかも相手は羽生先生。

後日談で「この時は夏場で、しかも和服だったので暑くて貼った」と言っていました。

傍から見ればおもしろい光景ですが、当の本人達はふざけて貼ったのではなく、勝つために取った行動です。

羽生先生が若い頃インタビューで「注目されていますが、周りの目は気になりますか?」と聞かれて

気になっていたら寝癖なんか付けません

と答えていたのを思い出します。

棋士は勝つために一生懸命なので、周りの視線なんか気にしないんですね。

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