【羽生善治vs中川大輔】羽生マジックで大逆転!加藤九段「あれれおかしいですよ」「ひえー頓死?」 | ブラジルから王手飛車取り

【羽生善治vs中川大輔】羽生マジックで大逆転!加藤九段「あれれおかしいですよ」「ひえー頓死?」

「あれれおかしいですよ」と解説の加藤一二三九段が言ったことでも有名なNHK杯史上最大の大逆転劇である”羽生善治vs中川大輔”戦を解説しています。
千日手を打開した羽生が大劣勢に陥りながらも、羽生マジック”9八角”で逆転し、最後は中川玉を即詰みに打ち取った名局です。

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羽生善治vs中川大輔

2007年度のNHK杯決勝トーナメント2回戦(肩書は当時のもの)
  • 日時:2007年10月1日
  • 先手:羽生善治 二冠
  • 後手:中川大輔 七段
  • 解説:加藤一二三 九段
  • 聞き手:中倉宏美 女流
  • 戦型:相掛かり

序盤の戦型は相掛かりになり、互角に進みますが、下図の局面。

”8三金”→”6二飛”→”7三金”→”9二飛”→”8三金”→”6二飛”→”7三金”→”9二飛”…と千日手の手順に進みます。

しかし、羽生二冠(当時)が手を変えて千日手を打開します。

勇気を出して千日手を打開した羽生先生でしたが、運命はまだ微笑まず、形勢は羽生先生の劣勢で進んでいきます。

このあたりは解説者の加藤九段も後手持ちになり。
まだ終局していないのにもかかわらず「中川さんが勝ちです」と明言してしまっていました。

終盤では中川七段が勝勢。
羽生二冠は絶体絶命の窮地に立たされます。

NHK杯の当時のテレビ映像では羽生先生が頭を抱えたり、険しい表情で盤面を見つめる様子が映し出されていました。

この局面で”龍””馬”を敵陣に作った後手は盤石の態勢…かと思いきや、ここで”羽生マジック”が炸裂します。

 

羽生マジック炸裂

”9八角打”

この手が妙手”羽生マジック”です。

この手は後手の”龍”が最下段に入り、先手玉に王手をするのを防いでいます。
事実、後手の竜が最下段に入り王手をすると先手玉は詰んでしまいます。

それを防ぐ意味での”9八角打”で、さらにこの”角”は延長戦上に後手の”玉”を睨んでいます。

この”9八角は”攻防の角なのです。

この手に対して、中川先生は”2八龍”と”龍”を逃がします。

この時はまだ、誰もが後手の勝ちを確信していましたが、形勢は先手のほうに傾いていました。

手は進み、中川七段は駒音高く”2六歩”と羽生二冠の飛車を取ります。しかしこの自然に見えた手がなんと急転直下の敗着。中川玉には思わぬ頓死筋が生じました。

この局面から先手が”2二銀”と打って、解説者の加藤先生はパニックになります。

 

加藤一二三「あれれおかしいですよ」

以下、加藤一二三九段のパニック解説です。

「あれ。あれ? あれ? あれ? あれ、待てよ、あれ? あれ、おかしいですね。あれ? もしかて頓死? えっと、こういって、あれれ、おかしいですよ。あれー? あれ? あっ歩が3歩あるから。あれ、頓死なのかな。(甲高い声で)へえー! これ頓死? 頓死なんじゃないですかね。あれ? あっ! あれ。いやっ! これ、頓死かもしれません。なんと。いやー、これ銀桂歩あるんで、歩が3つありますからね。でも待てよ、歩の数をちょっと計算が。こういって歩打って、取って取って、いや、ちょうどぴったり間に合いますから、これは、あの、大逆転ですね。たぶん。うーん。これ、詰んでますよ。(甲高い声で)ひゃー! これ確か、歩打って取るでしょ。歩打ってこうやって逃げて歩でしょ。ぴったり詰んでる! なんていう大逆転。NHK杯戦史上に残る大逆転・・・じゃないかな。ふゃあ・・・。(小さな声で)こうやってこうやってこうやってこうやってこうやって・・・。詰んでますもんね、これ。歩の数がぴったりだから。ひゃー。なんと、すごいことになりました。うーん・・・。やーあ・・・。これは羽生さんの逆転勝ちの中でも、もう、あれですね、大変な、あの、大逆転ですね。うーん・・・(ひときわ甲高い声で)ひゃー! 驚きました。まず、こんなことがあるんですねっていう大逆転ですね、これは。こう打って歩打って。しかし相当危なかったんだな、もうここじゃ。うーん。ひゃー」

長いので、要約すると以下のようになります。

「もしかして、頓死?」

「NHK杯戦史上に残る大逆転です」

「ひやー!驚きました!」

”2二銀”の王手から”歩”がちょうど足りて、即詰みになっていました。

恐るべし羽生マジック。

結果、163手で先手の逆転勝ち。

投了図は2四歩まで。

 

羽生善治の後日談

この将棋について、羽生先手は以下のように語られていました。

「ほぼ半分以上、形づくりのつもりで指していて、一応最後王手ちょっとかけようかなぁと思って王手をかけていたらですね、何か危ないって言うのが分かって。だから、本当にその加藤先生が『あれっ』と言ってましたけどまさに私の心情を何か言っていただいたようなそのような感じでしたね。ヒャーとまではいかないですけど(笑)」

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