女流棋士の山根ことみ女流についての記事です。
かわいいと評判の山根ことみ女流は詰め将棋愛好家でもあり、詰将棋解答選手権にも参加された経験もあります。「終盤は山根に聞け」と言われるほど終盤型の将棋で女流のタイトル戦にも出場した経験がある実力派女流棋士。
さらに2023年にはプロ棋士の本田奎先生と結婚されたことが話題になりました。
山根ことみとは
- 名前:山根ことみ
- 生年月日:1998年3月9日
- プロ入り年月日:2014年5月24日(16歳)
- 女流棋士番号:49
- 出身地:愛媛県松山市
- 師匠:野田敬三七段
- 将棋:振り飛車党
山根ことみ女流のXアカウント:@kokoko6987
山根ことみと将棋
山根ことみ女流が将棋を始めたのは2007年、小学4年生の時でした。
きっかけは幼なじみの同級生、藤岡隼太さん(元東大将棋部主将)に文部科学大臣杯小・中学校将棋団体戦に出るために誘われたこと。
その時に武市三郎先生の指導対局を受けることができた山根女流は当時、駒の動かし方だけ知っている状態だったにも関わらず、すごく上手く勝たせいただいたそうで、それで一気に将棋にハマったそうです。
将棋へのハマりっぷりはすごく、それまでやっていた空手、ピアノ、水泳、学習塾の習い事は全て辞めて将棋一筋になり、山根女流は松山将棋センターに通い将棋の腕を磨きます。
同学年には前述した元東京大学将棋部主将の藤岡隼太さん。
そして1学年上にはさらに強い黒田尭之先生(現プロ棋士)がおり、黒田先生には八枚落ちの頃から教えてもらったそうです。
その後、文部科学大臣杯という将棋の団体戦(三人一組)では4回も西日本大会を勝ち抜いて東西4チームしか行けない全国決勝大会に進出しています。
男女混合の大会ですが、ほとんどが男子3人のチームだったそうで、小学生の時は、聞こえるように「あのチームは女子がいるから、女子には絶対勝てる」なんて言われたこともあり、ムッとした山根女流は相手に聞こえるように「桂馬の動かし方ってどうだっけ?」と藤岡隼太さんに聞いて初心者のフリをして油断している相手をボコボコにしたこともあったようです。
山根女流が小学6年生のとき、JTプロ公式戦と同時開催されるこども大会の最激戦区・東京大会で決勝に進むという快挙を成し遂げます。
「東京の高学年の部で女の子が!」とお客さんに衝撃を与えました。
決勝では負けたものの、初めて羽生先生に会えたのが嬉しくて、最後はニコニコしながらステージを降りた山根ことみ女流でした。
2010年、中学1年生で、全国中学生選抜将棋選手権大会女子の部で優勝。
翌年の2011年中学2年生の時も全国中学生選抜将棋選手権大会女子の部で優勝し2連覇を達成。
2012年、3連覇を懸けて挑んだ全国中学生選抜将棋選手権大会女子の部では惜しくも準優勝でした。
そして2013年1月、関西研修会にC2に入会し、同年8月にC1に昇級。
9月8日に規定対局数を達成して女流3級資格を取得しました。
女流3級としてのデビュー戦は白星で飾っています。
2014年5月24日、女流2級に昇級を果たし、正式に女流プロとなりました。
2015年4月1日、女流初段に昇段。
2020年度には17連勝を記録し、優秀女流棋士賞も受賞。
2021年、里見香奈女流王位(当時)へのタイトル挑戦権を獲得しましたが、五番勝負の結果は0勝3敗のストレート負けに終わりました。
2023年にプロ棋士の本田奎先生と結婚されています。
詰め将棋好き
山根ことみ女流は詰め将棋が大好きなんです。
インタビューでは「詰将棋を愛しています」と答えるほど。
無類の詰め将棋好きの山根女流は詰め将棋解答選手権にも出場していた経験があり、全国各地で行われる一般戦部門では、時間を余らせて全問正解していたそうです。
中学生のとき、制限時間60分のところを35分で解き終えた山根女流。
しかし、その時奨励会員だった黒田尭之(現プロ棋士)先生は9分で解き終えていました。
それについて山根女流は…。
「あんなに早く解けたら、詰将棋がたくさんできていいな」
と視点が独特の感想。
とにかく詰め将棋を解くことが第一なんですね。
詰め将棋をたくさん解いてきた山根女流は女流棋界では「終盤は山根に聞け」と言われるほどで、本人は謙遜してらっしゃいますが、2020年度は17連勝したのはきっと詰め将棋でつちかわれた終盤力のおかげかもしれません。
「序盤に比べたら終盤は得意です」
と、山根女流は謙遜コメント。
「詰将棋は勉強というよりは、楽しくて取り組んでいます」とのことでした。
結婚・山根ことみ&本田奎
2023年5月2日に女流棋士の山根ことみ女流とプロ棋士の本田奎六段(当時)が結婚したとの発表がありました。
以下、両者のコメントです。
「私事ではありますが、この度、入籍いたしましたことをご報告させて頂きます。これからも日々を大切に、お互いを支え合いながら歩んでいきたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い致します」
入籍されたのは4月22日(良い夫婦の日)で、その後、5月1日に本田奎先生が六段に昇段し、そのタイミングでの結婚発表となったようです。
2人の交際が始まったのは2019年からで、惹かれた部分について山根女流は本田奎先生の”素朴なところ”を挙げています。
気になるお互いの呼び方は…。
山根女流は本本田奎先生のことを”けいさん” ”けい” ”けいちゃん”などと呼んでいて、本田奎先生は山根女流のことを”こと” ”ことちゃん” ”ことさん”と呼んでいるそうです。
結婚のタイミングについは「付き合いが長いですし、棋士としてもお互いに少し落ち着いてきたので、『そろそろタイミングだね』と2人で一致しました」とのこと。
ちなみに山根女流は今後も山根姓で活動されます。