佐藤天彦vs船江恒平戦にて。船江恒平六段(当時)が王手放置により反則負けになりました。AbemaTVトーナメントでのフィッシャールールという早指し戦のためかうっかりしてしまったようです。
プロの将棋では滅多にない”王手放置”という反則だけに話題になりました。
船江恒平が王手放置で反則負け
将棋のABEMAトーナメント2023予選Cリーグ第2試合のチーム(佐藤)天彦vsチーム菅井(竜也)にて、その2局目の佐藤天彦九段(当時)と船江恒平六段(当時)の対局で”王手放置”という反則で決着しました。
- 先手:佐藤天彦 九段
- 後手:船江恒平 六段
- 解説:横山泰明 七段
- 戦型:横歩取り
船江恒平先生は36歳、佐藤天彦先生は35歳で同学年対決となったこの対局ですが、対局前のインタビューにて以下のように語っています。
佐藤天彦
「(彼とは)奨励会の時に一緒だった。感慨深いし、懐かしい思いもある。そういう相手とこういう舞台で久々に対局できる。楽しみ」
船江恒平
「(彼は)非常に粘り強い棋風。粘り強さに負けないように指したい。ここは絶対に勝ちたい」
”横歩取り”
の戦型に進んで終盤戦、お互いに残り時間が10秒程度となり(フィッシャールールなので、一手指すごとに5秒加算)早指しでのうっかりが起きやすい状況でした。
以下、135手目に佐藤天彦先生が後手玉に角で王手をかけた局面です
この手、対して、船江先生は王手を放置して”3八飛車”と指してしまいました。
プロ棋士の対局では珍しい”王手放置”です。
この王手放置の一手に対して、解説の横山泰明先生も「え?え?え?え?」とパニック状態。
佐藤天彦先生に王手放置を指摘された船江先生も「あっ、あー!」と天を仰いていました。
チーム菅井のリーダーである菅井先生に至っては「ちょ、ちょ、ちょ。もーっ、勘弁してよ。こんなんダメ!こんなんないわ、何してんの?もー、ちょっと!」と椅子から立ち上がって猛抗議。
ちなみに船江先生は菅井先生の兄弟子です。
お二人共、井上慶太九段門下です。
同学年対決の一戦でしたが、”王手”に対して”王手”で返すという”王手放置”をしてしまい船江恒平六段(当時)の反則負けになりました。
局後のインタビューは以下の通りです。
佐藤天彦
「こちらに“うっかり”も出て…。内容はとても褒められたものではなかったが“勝ったことは勝った”というのはある。その1勝というのは大きい」
船江恒平
「いや、もうちょっと、はい…」とバツが悪そうにしていました。
チーム菅井の控室
菅井竜也
「将棋ってさ、一応“王手”には受けないとダメなんすよ、一応。お願いしますね(笑)」
船江恒平
「人生で初めて“王様”を取られたような気がします。いや、王様取られたっていうか…本当に申し訳ない将棋でした。すみません」
チームメイトの西川和宏先生も笑っていました
チーム菅井(チーム名:関西最強)=菅井竜也、船江恒平、西川和宏
後日、船江先生がチーム菅井のTwitterアカウントで謝罪していました。
フィッシャールールとは
以上の王手放置はどちらもAbemaTVトーナメントの”フィッシャールール”での対局で起こっています。
フィッシャールールとは
持ち時間:5分
1手指すごとに5秒加算
こちらのフィッシャールールは羽生先生の発案によるもので、ちなみに第一回では”AbemaTVトーナメント Inspired by 羽生善治”という番組タイトルでした。
第二回以降は”AbemaTVトーナメント”となっています。
この”フィッシャールール”がうっかりを誘発しやくなっており、時間がなくなってくると、「ピッ、ピッ、ピッ…」と鳴る電子音のプレッシャーは相当なもの。
このため、王手放置などの反則が、起きやすくなっているので、プロ棋士の反則が観たい方はぜひ”AbemaTV”をご覧ください。今なら14日間無料で体験できます。