当時の今泉健司四段vs出口若武六段の一戦にて、中盤で今泉四段が二手指してしまうハプニングがありました。
これは『二手指し』と言われる反則。今泉四段はこの対局に勝てば五段昇段という一番だったのにも関わらず、二手指しという反則負けになってしまいました。
今泉先生にとってプロになってからはこれが初の反則ですが、奨励会時代やアマチュア時代のも合わせるとこれ合計計4回目の反則だそうです。
昇段への意気込む今泉健司四段
2020年6月1日
今泉健司四段(当時)はヒューリック杯棋聖戦一次予選に臨みました。
ヒューリック杯棋聖戦の一次予選は一日で一回戦と二回戦の二局が行われます。
今泉先生は、一回戦を星野良生四段相手に勝利。
この勝利で、四段昇段後99勝目ということになり、通算100勝達成まであと一勝と迫りました。
そして、通算100勝で五段へも昇段することになります。
前日の今泉先生のツイートが以下。
明日は対局。棋聖戦です。二局指して昇段したいです(^^)
まあ、とらぬ狸の皮算用しても仕方ないから、まずは星野四段戦に全力を尽くします。応援よろしくお願いします(^^)
五段昇段への意気込みを語っており、昇段を意識している様子。
今泉健司四段vs出口若武六段
続く二回戦目は出口若武六段との対局。
いわゆる昇進のかかった一番だったのですが…。
中盤でのこと…。
今泉先生が次に指す手を決めていて、バシッと指したら、なんと相手がまだ指してなくて二手指しだったんです。
「お恥ずかしいです」
と回想する今泉四段(当時)
以下が今泉先生の対局後のツイートです。
勝ちと負けでした。反則負けしてしまいました。(二手指し)
お恥ずかしいかぎりです。
ご報告でした。
いや、なんとも。あまり冷静ではなかったというくらいです。
今泉四段の師匠である桐谷広人七段は以前、次のように語っていましまた。
桐谷「うっかり2手続けて指してしまう人を気の毒だな、と思うことはあります。しかし、ほとんどの棋士にとって、公式戦で反則をしてしまうというのは一生のうちに1回か2回、あるかないかでしょう。1回も反則をしない人の方が多いはずです。『反則は負けで当然だ』と考えている棋士がほとんどでしょう」
ちなみに今泉先生は、次の対局に勝利し、無事に五段に昇段しました。
奨励会員今泉健司3級の反則
今泉健司先生が棋士となってからの初の反則負けが五段昇段のかかった一番だったのですが…。
今泉さんはこれまでの人生で合計で4回も、反則負けがあるそうです。
奨励会在籍時に二手指しと二歩。
アマチュア時、全国大会出場がかかった予選決勝で二歩。そして今回の二手指し、というわけです。
奨励会3級の時、今泉先生は盤上を眺めていてやけにうまい手が見えて、バシッとその手を指すと、対戦相手が満面の笑みを浮かべ、「ありがとう」と言って去っていったそうです。
チェスクロックをみると相手の時間が進んでいます。
今泉先生は相手の手番なのに指してしまったと気付き、もちろん二手指しによる反則負けとなりました。
さらにそこから負の流れは止まらず、今泉先生は一気に10連敗を喫したそうです。
反則には気を付けたいものですが、集中しすぎると、こればっかりはうっかりがあって防ぎようがないのかもしれません。
https://shogi-oute.com/hansoku/